旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」7月号
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21356473「唐船之図」 針屋版 18世紀(江戸時代)。針屋は最古の版元で、本図のほか中国人とオランダ人を描いた作品が現存している。(神戸市立博物館蔵)4「バッテイラ渡海之図」 版元無記19世紀(江戸時代)。バッテイラとは上陸用の小舟。コミカルな表情をした人々は、開国後やって来たアメリカ人だと思われる。5「オランダ人遠眼鏡」(部分) 大和屋版 19世紀(江戸時代)。オランダ人がのぞく望遠鏡は当時珍しい舶来品だったが、長崎などでも製造された。6「大清人之図」 竹寿軒版 18世紀(江戸時代)。竹寿軒は、針屋と並ぶ古い版元。風雅に遊ぶ文人風の中国人である。7「阿蘭陀船入津之図」(部分) 文錦堂版 寛政12年(1800年)以降。貿易品を積載し祝砲を鳴らすオランダ船は、当時の人々にとって宝船のようにも見えたようだ。じめ、食事風景、遠眼鏡などの珍しい文物、さらにはゾウやラクダなどの珍しい舶来動物まで、エキゾチックなものばかり。長崎版画の最大の特徴は、このように「鎖国」下の貿易相手だった、中国やオランダなどの異国趣味の表現に特化したことだった。 その歴史は、江戸中期から幕末まで百年以上に及ぶ。正確な始まりは謎に包まれているが、市内の唐寺で版行されていたお札や中国・蘇州の年画(新年を祝う版画)が、源流にあるという。江戸よりも中国からの影響を大きく受けたとは、いかにも長崎らしい。 最古の版元・針屋を営んだ針屋与兵衛(?〜1754年)は、いち早く中国の船「唐船之図」(図3)を手掛けた。とうせんの ずだいしんじんの ずとおめがねおらん だ せんにゅうしんのずとかい の ずそ しゅう ねん がはり や1・2・4~7は長崎歴史文化博物館収蔵の作品。

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