旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」6月号
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22226102134597始まりは8戸の農家から マンゴーは、インド地方が原産といわれる。約4、000年前から栽培されたと伝わり、その種類は500以上。日本では沖縄県で最も多く生産されている。 西都で結成されたマンゴー部会では、さっそく沖縄から食味の良い「アーウィン」種の苗木を■剪定後に新しい枝が伸びた、新芽の様子。■1本の枝に何千個も小さな花を咲かせる。開花は12~2月頃がピーク。一本一本、糸で吊って日光を当てる。蜜蜂が受粉を助ける。■緑色の小さなマンゴーの赤ちゃん、幼果。■最終的に残した果実が大きくなり、収穫前になったらネットを掛ける。■ネットに自然落下したマンゴー。※1~5・8画像提供/宮崎県■弾力のある優れた肉質と旨みが特徴の宮崎のブランド地鶏「みやざき地頭鶏」を使った炭火焼。■ユニークなネーミングとおいしさで話題を集めた、完熟きんかん「たまたま」。樹上で完熟させることで大きく、甘さも際立つ。全国に知られるみやざきブランドマンゴーの栽培取り寄せると、メンバー2人のハウスに植え、接ぎ木苗を育てることから始めた。マンゴーは、植栽から収穫まで3年はかかる。「魂を入れて臨まねば」と挑んだ8戸の農家は、それぞれピーマンなどを育てながら収益のすべてをマンゴーに注いだ。 ところが現実は想像以上に厳しかった。土壌や温度管理が分からず、せっかく実っても病虫害に悩まされ、日当たりが良すぎて日焼けを起こすこともたびたびだった。それでもメンバーは怯むことなく、連日のように集まっては知恵を出し合い、研究機関と連携を取りながらこの地に適したハウスマンゴーづくりを模索した。さらに沖縄を訪ねて指導を請い、お礼に彼らが求めるハウス技術を提供した。 そうして3年後、ようやく初出荷を迎えたが結果は惨憺たるもの。贈答用を狙って売り込んだものの、輸入物より値が高く、日持ちがしないと卸業者や高級フルーツ店は見向きもしない。しかし彼らは諦めなかった。土日ごとに宮崎市のデパートや空港で試食会や対面販売を重ね、一方で栽培法を工夫し続けた。 潮目が変わるのは、ある収穫法に転換してからだ。 試食会を開くたびに人垣ができ、「おいしい」と喜ばれるようになる。その収穫法こそ、完熟して自然に落ちる実をネットでキャッチするやり方だった。それまでは落ちた果実は商品にならないため、8割程度熟れた状態をハサミで収穫していたが、皮肉なことに自然落下したものほど濃厚な甘みがあり、果汁もあふれる。「この味わいこそ届けたい」と試行錯誤の末、ネット収穫方式を考案したのだった。せんてい■山積みのマンゴーが売られるインドの市場。■マンゴーのビニールハウス。ひるさんたん1234567910

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