旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」11月号
23/32

21シーン14567123うす か 2014年11月10日。名優、高倉健が他界して4年がたつ。 戦後日本を代表する最後の銀幕スターといわれ、「健さん」と慕われたその人の遺作となったのが、映画『あなたへ』。くしくもクラ※「松永文庫」室長の松永武さんは本誌取材後、2018年10月14日に永眠されました。ご冥福をお祈りいたします。画像提供/20ページ高倉プロモーション、1松永文庫、5平戸市たい じかい こう4木山キミさんと健さん。(2011年11月)5映画館がない平戸市の人たちに見てほしいという健さんの発案で2012年8月、『あなたへ』の試写会が平戸文化センターで行われた。健さんと綾瀬はるかに挟まれた木山さん。6健さんから木山さんに贈られた品。7現在の木山キミさん。『あなたへ』のロケ地薄香漁港で。ンクアップしたのは、少年時代を過ごした北九州だった。 ロケの行われた門司港では、当時の思い出を今なお宝物のように語る人たちがいる。「松永文庫」の松永武さんもそのお一人。映画のポスターやパンフレットなど約4万点もの芸能資料を所蔵するそこへ、なんと本人がやって来たのだった。 「突然のことでびっくりしました。当初は10分の予定でしたが、気付けば40分以上も滞在され、その間ずっと健さんは立ちっぱなしで映画の話をされました。私が長年集めたスクラップ記事にも興味を持たれ、濃密な夢のような時間をいただきました」 映画が好きで映画監督に憧れ1撮影中のジャンパー姿のまま、「松永文庫」を訪れた健さん。室長の松永武さんが集めた自身に関する資料を前に、二人の話は大いに盛り上がった。2映画『あなたへ』のラストシーンを撮影した門司西海岸のふ頭。360年にわたって松永さんが収集した映画・芸能関連の資料を公開する館内。松永文庫 入館無料 □営9時~17時 □休 月曜(祝日の場合は翌日) ☎093(331)8013 北九州市門司区西海岸1-3-5(旧大連航路上屋1階)た松永さんと、ストイックなまでに映画と対峙し、愛し続けた不世出の俳優との邂逅。二人の会話は縦横無尽に広がり、その時受けた印象を松永さんは、「礼節を重んじる映画の職人」と語る。そして、健さんは、かつて活動屋と呼ばれた古き良き映画の世界を伝承しようとしているのではないか。そう強く感じたと言う。 『あなたへ』のもう一つのロケ地となった長崎県平戸市でも、高倉健との出会いを大切に胸に刻む人がいる。隣家でセットが組まれたことから交流が始まった木山キミさんは、現在94歳。 「最初に健さんの方から挨拶に見えて。とっても律儀な方です。まるで亡くなった弟が帰って来たようでした」と語る彼女の瞳にはみるみる涙があふれる。 撮影中、近所の人と手づくりのぼた餅を差し入れるなど応援した木山さん。撮影後もやり取りは続き、いつも気遣ってくれたという。さらに作品の全国公開前には、平戸に映画館がないことを知った彼の発案で、市民300人を招いた上映会を開催するというプレゼントも。当日は本人も舞台挨拶に駆け付け、感謝の意が伝えられたのだった。最後の主演作の舞台は平戸・北九州※

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る