旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」1月号
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612345■マナーハウス島津重富荘の「謁見の間」を利用したレストラン「オトヌ」。■薩摩焼で飾った、釘隠し。■店内の一角に展示されている、薩摩焼コレクション。■九州の食材で楽しむコース料理。昼3,500円~、夜10,000円~。要予約。☎099(247)3122■室田さんが手掛けた薩摩ボタン。白薩摩の生地に描く。■パリ万博150周年を記念してつくったボタン。■極細イタチ毛を使い髪の毛ほどの線を描く。■楽しそうに作業をする室田志保さん。商品購入は「磯工芸館」☎099(247)8490、体験教室はホームページで受付中。https://satsuma.cc/ 直径わずか8㎜、爪先ほどの小さなボタンに、今にも動き出しそうなテントウムシや四つ葉のクローバーが描かれている。見れば見るほど深遠な「薩摩ボタン」の世界。これもまた薩摩焼と知って、ため息がこぼれた。  そのルーツは定かではないが、一説には明治時代、輸出向けに各地でつくられたという。 ただし、あまりにも緻密な作業のため昭和半ばには廃れてしまう。それを2005年、薩摩焼の絵付師の室田志保さんが、図録などをもとに復活させたのである。目指すは、昔の復刻ではなく、現代に合う薩摩ボタン。絵柄も花鳥風月にこだわらず、何でも描く。「今」を残したいと思うからだ。 一本の線から職人の息遣いが伝わる、この仕事。「自分も歴史に残るものをつくりたい、という希望を込めて、アトリエに〝薩摩志史〞とつけました」  誰もやっていない未踏の領域で、伸び伸びと自由を楽しみながら、創意工夫の毎日。全米のボタン大会に出品するなど海外にも販路を広げつつ、「薩摩焼を再び世界に」と願う彼女のファンは確実に広がっている。 幕末は島津久光の別邸として、また維新後は、久光の三男で、重富島津家第21代当主・島津珍彦・典子夫妻が暮らした武家屋敷を現代によみがえらせた、「マナーハウス島津重富荘」。かつて珍彦が客人をもてなした「謁見の間」は、「オトヌ」という素敵なフレン12345786ししうずひこ復活した薩摩ボタンと、極上のレストラン

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