旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」2月号
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23678945117筑紫の古湯を楽しむDay11日目 由緒をたどれば万葉集にまでさかのぼる、福岡でもっとも歴史ある温泉地、二日市温泉。意外なことに、この名称で呼ばれ始めたのは昭和に入ってからで、二日市駅が九州鉄道の停車場として開業した明治の頃には、ここは「武蔵温泉」と呼ばれていたそうだ。 武蔵といえば、そう、5月ごろに満開になる藤の花で有名な「武蔵寺」もこの地にある九州最古級■明治22年(1889年)に開通した九州鉄道の停車場が始まりの二日市駅。九州でもっとも古い駅の一つ。■駅前には、25歳にして二日市駅長を務めた佐藤栄作氏を顕彰する石碑が。■駅から徒歩約5分の鷺田川に架かる九州鉄道時代の煉瓦造りのアーチ橋は今も現役で列車を支える。■大正亭の一角に設けられた休憩スペースから望む庭園。■■大正亭2階の「天拝の間」。随所にレトロモダンなしつらえも。■月替わりの夕食会席例(イメージ)。素材の味と美しさを際立たせた一品が並ぶ。■老舗和風旅館「大丸別荘」を象徴する、上品な雰囲気を漂わせたラウンジ。■大正時代に建てられた「大正亭」の客室を結ぶ廊下。手入れしながら使い込まれた木造の味わいが感じられる。の寺院。実は二日市温泉はこの寺と深いつながりがある。「武蔵寺縁起」という書物によると、寺の創建者と伝わる藤原虎麿の夢に出てきた僧がこの地に湧く湯の存在を告げ、その湯が虎麿の娘の病をも治癒させたというのだ。それを裏付けるかのように、古くは「薬師の湯」と呼ばれ遠方にまで広く知れ渡っていたようだ。 さらに意外なのが、今では道路の下に暗渠として隠れてしまっている鷺田川の中に湯船があり「川湯」としても親しまれていたということ。もし洪水や開発を逃れて現在までそんな姿が残っていたら、二日市温泉のイメージも今とはまったく違っていただろう。 まさにその川湯が存在していた頃に誕生した客室が、老舗旅館の大丸別荘にある。昭和天皇も宿泊されたという別棟「大正亭」だ。 丁寧に修繕を重ねて使い続けてきた木造の建物に10の客室と2室の家族風呂。以前は大浴場として使われていた贅沢な広さの家族風呂は、大正亭だけの特権だ。 庭を眺め、こたつで丸くなり、上げ膳据え膳でおいしい食事…。日々忙しさに追われている方はぜひここで、1日でも至福の冬休みを取ることをおすすめしたい。123456798むさしぶぞうじあんきょさぎた

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