旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」7月号
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2034216753「閉眼の王」。眼を閉じた珍しい造形の王面。九州に2体だけ類似の面が分布する。4「弥五郎面」。弥五郎どんとは、大和朝廷に制圧された「隼人の王」と伝えられる。70センチの大仮面をつけた4メートルを超える大人形が祭りの行列を先導し、村の境に立つ。6「国東半島・鬼会面」。守り手のいなくなった寺院から不幸にも流出。それを追跡して空想の森美術館の仲間が入手したという経歴を持つ。7「高千穂神楽・鬼神面」。鬼神舞、荒神舞、タヂカラオノミコトの舞など、主役級の神面として使用される。高千穂神楽面の古形を保つ面。5諸塚村の南川神楽の鬼神。鬼神とは山の神とも荒神とも地主神ともいう。さまざまな相貌を持つ自然神であり、土地の先住神である。諸塚神楽では八百万の神々を招き寄せる先導神の役も務める。高千穂神楽では地主神・荒神と習合している。12「水の王(白)」と「火の王(赤)」。神社の守り神として本殿を守る位置に祀られる。矛に取り付けられ祭礼の行列を先導する例もある。英彦山神宮の大祭では同系の大仮面一対が、神輿を先導して山を下る。1246~9由布院空想の森美術館蔵、3九州民俗仮面美術館蔵、九州国立博物館蔵(由布院空想の森美術館・旧蔵)荒ぶる神先住の神の代表き し ん め んお う め ん 「鬼とは渡来の神に追われ、山に依拠した先住神」と柳田國男以降の民俗学は解釈した。大分県国東半島では、「鬼に会うことは祖先に会うこと」という。 荒ぶる神は、森羅万象を支配する自然神である。神楽や祭りに現れる「鬼」は時には荒々しく威嚇し、ある時は愉快に観客と親しむ。気のいい鬼こそ、列島土着の神の代表である。その相貌は、縄文人の「骨相」と同一であるという考古学者の指摘もあって興味は尽きない。 「稲」と「鉄」の文化とともに渡来した民族を迎えた先住の王は、政権・神域・村・地域などを守る守護神として服属した。一族の長の相貌は、「王の面」として彫刻され、信仰された。 神社の本殿を守る位置に設置された「火の王・水の王」、矛に取り付けられて祭礼の行列を先導する鼻高面などがその系譜に連なる。いくぶん哀しみを帯びた「王」の仮面は民族の祖形を示す神の姿である。おさ鬼神面村の守り神民族の祖形王面や ご ろうめんおにえめんみこしまつもろつかはや とこっそう

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