旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」8月号
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18…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………文=船木麻由 Text by Mayu Funaki現在は7代目が受け継ぐ「明石屋」。「軽羹」は、地元では結納にも用いられる。「明石屋本店」 □営 9時~19時 □休なし ☎099(226)0431 鹿児島市金生町4-16(山形屋北筋)えりすぐりの自然薯。素材の魅力が生きる素朴な味わい。南国のおやつには知恵と愛情が詰まっている。 原料は、山芋と米粉と砂糖のみながら、このおいしさ。「軽羹」は鹿児島が誇る銘菓である。なかでも1854年(安政元年)創業の「明石屋」は、天然の自然薯に徹する。粘りの強い自然薯を擦り下ろし、砂糖やうるち米の米粉を加えて練り上げた生地を蒸してつくるのである。もともと軽羹自体は300年前の島津家の文書にも見られるが、今日のような形に昇華させたのは、かの名君斉彬だ。集成館事業を進めていた彼は、米粉の製造なども研究。江戸から播良質のシンプルな素材ゆえの真実の味JAPANESETRADITIONALSWEETS in KAGOSHIMA津斉彬公ゆかりの純白無垢な殿様菓子。軽羹かる かん島八島六兵衛を初代とする「明石屋」は幕末、島津家の御用菓子司を務めた。良質の自然薯を厳選してつくる、明石屋の軽羹。軽羹8号(1,296円)。明治期の店舗。州明石出身の菓子職人・八島六兵衛を招聘すると、苦心の末、洗練された高級菓子を生み出した。ちなみに代々、明石屋に伝わる言葉は「淡味真」。素材の魅力を引き出した淡味にこそ真の味わいがある、という意味。じ ねん じょなり あきらばんしゅうしょうへいたんみしん

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