旅のライブ情報誌 「Please(プリーズ)」5月号
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13山々が織りなす景色と恵みを享受Day11日目■湧泉閣の部屋に備えられた露天風呂。着いてすぐ、部屋籠もりの贅沢が始まる。■夕食の名物は甘辛く炊いた猪肉のすき焼き。■素朴な里山の雰囲気にしつらえた離れも4室あり、露天風呂と内湯を備えているのがうれしい(うち1室は内湯のみ)。携帯電話の電波も届かない深山の宿。■朝食、夕食の食事処。■珍しい鹿肉の刺身も揃う。34756■熊野座神社には「投げ石」といわれる石が用意され、「願いの数だけ拝殿奥にある箱に入れておけば叶う」といわれている。縁結びの神社だけあり1個5円。■参道の入口付近にある湧き水「長命水」。熊本県名水百選に選ばれ、神様の水と伝えられる。12こうの せ せっ かい どう くつく またちばななんけいくまの ざじん じゃゆう せん かくみやまやしゅおり2135467 山あいを縫うように走る球磨川の清流。エメラルドグリーンに輝く水面には木々と陽光が映し出され、流れに合わせてキラキラ輝くさまはずっと見ていても飽きないほどに美しい。この穏やかな里山の景色の中を、大地を蹴りながら走るのがSL人吉だ。力強い汽笛の音、吹き上げる煙を合図に、まるでタイムスリップボタンがオンになったかのように、懐かしい旅情が込み上げてくる。 白石駅で下車し訪れたのは、「神々が宿る神秘の洞窟」として知られる「神瀬石灰洞窟」。中世期初期の石灰岩でできており、間口45m、高さ17mと日本最大の洞口を誇る。天井からは多数の鍾乳石が突き出し、中にはイワツバメが生息している。実はこの洞窟、江戸時代の医師で旅行家の橘南谿が書いた『西遊記』にも登場し、ツバメを捕えると災害や疫病が流行すると信じられていたそう。ひんやり澄み渡る空気の中、歩を進めると、縁結びの神様として知られる「熊野座神社」が。この地とのご縁を願い、後にした。 普通列車に乗り換え、向かったのは球磨川の支流にひっそりと湧く吉尾温泉「湧泉閣」。その昔、鶴が傷を癒やすところを村人が見て発見したといわれる温泉は、美肌の湯で知られ、深山の秘湯に身を任せると心にたまった澱まで洗い流されるかのよう。夕食に野趣あふれるジビエ料理をいただくと、幸福感に満たされた1日が静かに幕を下ろしていく。

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